白い輪 読谷村史編集室 読谷村戦後復興資料データベース

ID:000028 1951年9月4日 作成

帰村に関する行政文書

陳情書

陳情書
本年7月16日付、米沖民行法により我等の陳情文が却下になり我等は日一日と迫る立退きを目前にして数百年来先祖並に我等が築き上げた居住地を去らねばならぬことは我等の最大なる悲痛であります。
顧みますれば沖縄戦勃発するや郷里を離れ避難致しましたが1947年4月米軍隊の御同情により懐しの故郷の地に安心して落着くことが出来ました。
我等は移動以来此処に5ヶ年軍に感謝しつつ我等祖先の築き上げた安住の地の復興、経済の復興、教育の振興、軍への協力を期し努力致したのであります。
然るに陳情文の却下となるや、長年月住み馴れた老いたる者は若者に泣すがり日々の食事さえ充分に摂り得ず世帯主は一家全体を今後如何に処すべきかを苦悩し、主婦は愛児達の養育や今後日々の食糧を案じ生徒達は自己の向学の途を憂い若き青年達は軍労務に従事しておりますが長期欠勤の為免職を恐れ幼い子供達まで心配しているのであります。
現在移動の指令を受けている地域は5百余戸、2千4百余名の人口を擁して居りますが現在予定せる新居住地は狭隘で水源乏しく樹木なく台風に対する自然的台風対策となる点が少いと思われます。

資料ID
000028
作成日
1951年9月4日
資料名
帰村に関する行政文書
件名
陳情書

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