記
1. 楚辺区は現住人口2,436人、戸数534戸を擁し、これだけの移動居住地は容易に見つからない。
2. 用水の件で、現在20の井戸でも不足を来し、暗川という豊富な泉からポンプで上げて足りているのに、移動となればこれだけの水を如何にして供給するかが大きななやみであります。当地区近くはいずれも100フィート以上掘らねば水は出ません。
3. 現在の住宅資材は大体腐朽しており、また釘づけなるが故に取りこわして再建すれば殆んど9割程度の資材を足さねば建築できず経済の不如意から再建できないで途方に暮れるのがたくさん出来ると思われます。
4. 食糧不足の今日、移転に多量の人夫と食料を要すると共に耕作はおくれ、極度の食糧不足に陥り、餓死するものの出る心配があります。
5. 余りの苦しさに厭世思想がおこったり、現在の社会や政治をきらったりするものが出たらどうするかという心配があります。
6. 学校が現位置より移さる時は、住宅建築とかち合って容易に移築が出来ず教育事業が中断される心配があります。また適当な移転敷地がなかなか見つかりません。
7. 移動により耕地が減り食料生産の少なくなることを心配します。
戸
416+118=534戸
人口
1886+550=2436人
- 資料ID
- 000110
- 作成日
- 1951年5月18日
- 資料名
- 帰村に関する行政文書
- 件名
- 部落居住問題に関する陳情書