白い輪 読谷村史編集室 読谷村戦後復興資料データベース

ID:000193 1949年1月13日 作成

帰村に関する行政文書

沖縄民政府諭告第1号

沖縄民政府論告第1号

終戦後3年有半になろうとし、これ迄は主として臨機応急の措置しかとれなかったが、今後は各方面共歩調を揃えて企画的に復興の事業に邁進すべき新しい年を迎えました。
この年頭に当り吾々は大に反省して将来の建設のために強固なる基盤を築き上ぐべく、万遺憾なきを期さなければなりません。
しかるに近来とかく人心が弛緩して浮薄となり冠婚葬祭その他行事に於ても相競うて萃美贅沢に流れ時局にそわない風潮をかもし出しつつあるやに感ぜらるるのは、まことに遺憾の極みであります。
マッカーサー元帥の日本に於ての書簡の一節に「一国民の生計が他国の慈悲に頼っている限り政治的自由はあり得ない」とありますが実に味うべき言葉で、吾々が米国の援助を受けている間は、物心共に自粛自戒し、1日も早く自給自治の態勢を招来すべく緊縮奮励すべきであると思います。いわんや最低生活の維持すら困難な階層を現出すべき経済事情が迫り来らんとしつつあるやに感ぜらるる時であります。
幸にして最近婦人団体その他に於て覚醒の警鐘を叩き出し、増産の奨励や消費の節約等有意義な決意をなして着々効果を挙げつつありますのは、真に時局を認識したものでありまして各地各種の団体や会合等に於てもこの種の運動を自発的に展開して頂きたいと思います。

1949年1月13日
沖縄知事 志喜屋孝信

資料ID
000193
作成日
1949年1月13日
資料名
帰村に関する行政文書
件名
沖縄民政府諭告第1号

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