歎願の理由
一、現在居住地より農耕地までの距離が1.5キロメートル乃至2キロメートルもありその往復に時間と労力を空費して生産能率を低下せしむること。
二、5時以降の婦女子の通行並農耕が危険で落付いて農耕出来ない。
三、現在旧屋敷は雑草生い繁り、藪蚊の発生その他衛生上から面白からぬ状況に在ると思考す。幸いにして居住が許可になった曉は屋敷の清掃美化に努め衛生面に貢献する事が出来る。
四、部落並近接山林の監視が出来立木伐採を防止して軍政策に協力出来る。
五、現住地の大木部落は戦前7、80戸の住民が居住して居たが現在は7ヶ部落も集団をなし、人口にして2、300人も密集し、水汲みに行列をなして時間を空費する状況で不自由を感じて居る。これに反し旧部落内には井戸が多く水不足を解消して生活及衛生の向上を計り得る。
六、嘉手納、喜名間の1号道路沿線には住民の居住せる部落無きため、この間の婦女子の通行は昼間も危険で時折強姦事件等も発生し居るも、住民の居住によりこの不安を解消する。
一、通行の不安 二、治安の維持 三、犯罪の防止
- 資料ID
- 000059
- 作成日
- 1949年
- 資料名
- 帰村に関する行政文書
- 件名
- 歎願書